ホメオパシーのレメディには、様々な形状のものがあります。
最も知られているものは、粒状のもの。他にも、パウダー状のもの、液体、ジェル、クリーム、点眼、坐薬などが一般的に使われています。
今回はその中でもOlfaction dosingと呼ばれる「嗅ぎレメディ」について、少し綴っておきます。
嗅ぎレメディってなに?
嗅ぎレメディとは、その名の通り「嗅ぐレメディ」のこと。ホメオパシーの創始者サミュエル・ハーネマンの時代から使われている方法の1つです。The Organon, Aphorism 288 (5th Ed.), Aphorisms 284 (6th Ed.)
見た目は、ドロップボトル(アロマの精油が入っているようなボトル)のようなガラス容器に液体状のレメディが少量入っているだけなので、精油のようにも見えるかもしれません。
*ホメオパシーのレメディに香りはありません
嗅ぎレメディの摂り方
嗅ぎレメディの摂り方で最も一般的なのは、レメディの入ったボトルを鼻の下に置き、鼻孔から深く息を吸い込むように嗅ぐという方法。
両方の鼻孔から、片方の鼻孔からまたは口から吸い込むという方法で、レメディのエネルギーを取り込みます。
一人ひとりの状況や状態によって、摂り方や頻度は変わってくるので、ホメオパシーのセッションを受けている方は、ホメオパスのアドバイスに従ってください。
どんな時に使うもの?
ホメオパスの中には「嗅ぎレメディしか提案しない」という人もいますが、主に以下の4つの状況の時に役立ちます。
1. ハイパーセンシティブな時(人)
ホメオパシーのレメディは、セルフケアの範囲において使い方を誤らなければ、強い反応が出るようなものではありません。基本的にレメディは類似の法則で選ばれる物質を含まない波動エネルギーなため、赤ちゃんから高齢者まで安心して使えるものです。
しかし、どんなレメディにも激しい反応を示すような「ハイパーセンシティブ」=些細なエネルギーにも非常に敏感な方は、嗅ぐタイプのレメディの方がよりエネルギーがソフトなので合うかもしれません。
2. レメディを口にするのが不安な時(人)
不安神経症などで「レメディを口にすること自体が不安、怖い」という方も、嗅ぐことに対してはあまり抵抗がないようです。
3. レメディを口にできない状況(人)
入院中、子ども、赤ちゃん、意識がない状況など、レメディを口にできない時に、鼻または口から呼吸ができていれば嗅ぐ方法でレメディを取り入れることができます。
*服薬中、医療機関で治療中の場合でホメオパシーも取り入れたい場合は、自己判断でレメディを選ばずホメオパスに相談してください。
4. 嗅ぎレメディが好き
とにかくこの方法がいい!という方。使い方や使う人によってはパワフルに感じられるため、この方法がいい!という方も一定数います。
嗅ぎレメディの作り方
小さなガラスのキャップ付きボトルに、1-2粒のレメディを小さじ1-3程度の水に溶かします。そのボトルをしっかり手で持ち、ボトルの底を手のひらに2〜10回強く叩きつけます。
*叩きつけ過ぎないように注意
叩く(振盪)回数は、一人ひとりの感受性によって異なります。
嗅ぐだけで効果はあるの?
わたしが初めて大学でOlfaction dosingという方法を知った時(2010年くらい)は、アロマセラピーを想像してしまい、香りの分子もなにもないレメディが、嗅覚器官を通して心や体、スピリットに何かしら作用するということが腑に落ちず、正直、斜めから聞いていました。
しかし最近の研究で、レメディのOlfaction dosingの作用について、手がかりが見つかりはじめています。
もちろん完全に解明されているわけではありませんが、例えば、人間の鼻は、以前考えられていたように嗅覚受容体に結合する臭い分子によってではなく、振動パターンとして匂いを識別しているということがわかってきたようです。
もしそうだとすると、ホメオパシーのレメディは自己治癒力を引き出すためのエネルギー情報を振動パターンとして体内に伝達するものなので、「レメディを嗅ぐこと」でもレメディの振動パターンを識別して体内に取り込めている可能性も出てくるように思います。
Molecular vibration-sensing component in Drosophila melanogaster olfaction
Could the Olfactory System Be a Target for Homeopathic Remedies as Nanomedicines?
メカニズムはどうであれ、嗅ぐ方法で効果を感じている人がいるのは事実、感じない人がいるのも事実。
ここでは、暮らしにレメディを取り入れる方法に「こんな方法もあるんだ」と知っていただけたなら幸いです。
自分に合うレメディや方法はどれ?と迷ったときは、個人セッションにてご相談ください☆