ホメオパシー療法で使うレメディについて、よくわからないという人は多いですよね。この記事では、レメディを使う前に知っておきたい基礎知識として、レメディについて簡単に説明します。
Contents
レメディってなに?
レメディは、Re=back(元へ)+med=heal(癒す)+y(接尾語)からなる言葉で、癒し戻すものすべての総称を指す言葉です。
例えば、メディカルハーブのことはHerbal remedy(ハーバルレメディ)、フラワーエッセンスのことはFlower remedy(フラワーレメディ)、 英文契約書の条項にも救済措置としての意味でremedyという言葉が使われることもあります。
ホメオパシーのレメディはHomeopathic remedy(ホメオパシックレメディ)といい、舐めたり、塗ったり、飲んだり、嗅いだりすることによって自己治癒力を刺激し、心身ともに健康な状態へと癒し戻すキッカケを与えるもののことを指します。
しろくまくん
多くの人がそう思っているようなのですが、実は、砂糖玉だけでなく、粉状のもの、タブレット状のもの、液体状のもの、クリーム、ジェル、座薬、点眼、スプレー…と、様々な形状のレメディがあります。
海外では、薬局だけでなく、セルフケア用のレメディであれば、スーパーやマ○キヨのような薬局で購入できる国もあります。
左はイギリスのマ○キヨみたいなところ、右はスイスのスーパーの中の薬売り場。
レメディは何からできてるの?
レメディは、植物・鉱物・動物・不可量物などが原料になっていて、4,000種類ほどあると言われています。その数は今も増え続けています。
しろくまくん
例えば、Nat mur(ナトミュア・ナトムール)という岩塩からできたレメディがありますよ。
しろくまくん
物質ではないもののことで、例えば、電磁波とか太陽光、X線や月光などがありますね。
レメディはどうやって作られる?
ホメオパシーのレメディは、原材料を希釈振盪(しんとう)を繰り返して作られます。それを、Potentisation(ポーテンタイセーション)と呼びます。
レメディを使ったことがある方なら、「ポーテンシー」という言葉を知っていると思いますが、Potency(ポーテンシー)はPotentisationから来ている言葉で、希釈振盪度合いを意味します。
しろくまくん
希釈振盪のプロセス
そのままでは溶解しない鉱物などは、乳糖の結晶を混ぜて何度もすり潰して粉末状にして水に溶けるようにします。この作業のことを粉砕(トリチュレーション)と言います。
種子や豆類も硬くて大きいものや水に溶けないものは、すり潰してから。
気の遠くなる作業です(笑)
家庭用のセルフケアキットに入っているレメディは、30c・200cのポーテンシーになるので、100倍希釈の希釈振盪作業を30回、200回繰り返したことになります。
このように、高度に希釈振盪して作られるため、原材料の毒性や副作用の心配はなく、妊婦さんからお年寄りまで安心して使えるのがメリットです。
しろくまくん
薄めて叩くという作業によって、原物質の毒性は失われる(薄まる)けれど、原物質の情報エネルギーは強まっていく(活性化されていく、濃くなるイメージ)と考えられています。
希釈振盪による現象については、様々な方法で実験と研究が続けられているので、興味があれば研究論文を読んでみても面白いかも。
しろくまくん
普通、そう考えますよね。
ホメオパシーのレメディは、希釈振盪度が高いからとか低いから、効果が強いとか薄いというものではないのです。本来は、使う目的や状況、人によってベストなポーテンシーがあるので、選択して使い分けるべきものなのです。
ポーテンシーの使い分け
セルフケアでは、ポーテンシーの使い分けまで考えなくて大丈夫ですが、様々なポーテンシーがあるということは知っておきましょう。
レメディキットには、様々な種類があります。
普通のレメディキットには、30cのポーテンシーのレメディが入っていることが一般的。妊娠中から子供(7歳くらい)まで使える母と子のレメディキットでは、200cのポーテンシーのレメディが入っています。馬や猫、犬、植物など用のキットには、また違ったレメディやポーテンシーが入っています。
しろくまくん
妊婦さん〜子供のバイタルフォース(生きる力)は強いと考えられているから。
しろくまくん
ホメオパシーのレメディは、ポーテンシーが高くなればなるほど(希釈振盪すればするほど)、肉体レベルから心や感情のレベルにも深く関わっていくということが経験的に明らかになっています。
- ポーテンシーを高めれば高めるほど(希釈振盪すればするほど)、肉体レベルから心・精神レベルに深く関わっていく。
- 一般的には、薄めれば薄めるほど効果は弱まると考えるけど、レメディの潜在能力は、薄めて叩く作業を繰り返していくほど高まっていく。
心と体は、今、自分の癒すべきところはどこなのかを症状というサインを通してわたし達に知らせてくれています。
心とからだの声が大きいのか小さいのか、バイタルフォースが強いのか弱いのか、また、レメディを使いはじめたばかりなのか否かなどよって、適したポーテンシーは変わってきます。
レメディキットのレメディを摂ってみて、
- なにも変わらない
- 少し良くなったと感じてもまたぶり返す
そんな時は、
- 合うレメディが別にある
- 今、自分の癒すべきところが他にある
- ポーテンシーが合っていない
のかもしれません。
レメディキットのレメディで反応しない時は、ホメオパスのコンサルテーションやレメディキットの使い方などの講座を受けてみることをお勧めします。
レメディがヒットするとどうなる?
レメディが症状に響くことを、よく「レメディがヒットした!」と言います。
しろくまくん
正直なところ、その反応は人それぞれ。症状も十人十色だから反応も十人十色。
でも、治癒の法則といって、ヒーリングのプロセスにはいくつかの法則があるので、その法則に見られる反応が1つでもあれば、レメディはヒットしていると考えることもできます。
実は、レメディキットでセルフケアしている時は、もっと分かりやすいポイントがありますよ。
セルフケアでレメディをとった時
- 症状が少し強くなったように感じる
- 症状が緩和したように感じる
- 体は辛いけど心が軽くなった
- 眠たくなった
このような変化が見られたら、ヒットしている(合うレメディを選択できた)証しと考えられます。
症状が一時的に強くなるのは、自己治癒力を発動させるために起こる体の反応の一つ。
症状が緩和したように感じる時は、自己治癒力はすでに十分働いていたけれど、もうひと押しが必要だったタイミングでレメディを摂った場合に起こる反応の一つ。
わたしが初めてレメディを試したのは、ロンドンで一人暮らしをしていた時。
自作カレーを食べた30分後に、嘔吐とめまいに襲われ、必要に迫られて…でした(苦笑)
未だかつてない程辛い状態だったためか、レメディを1粒摂った途端、ふわっと心と体が軽くなり、眠たくなったのをよく覚えています。
そして、いつの間にか寝ていました。
寝ている間、まるでシャワーを浴びているかのような気持ち良さを感じていたのですが、翌朝、目が覚めてみてびっくり。
頭から大量の汗をかいたようで枕がぐっしょりと濡れていました。
身も心もスッキリして本当に不思議な気分だったのですが、もっと不思議なのは、その日以来、1年半毎日飲み続けた睡眠導入剤などの薬を飲まなくても眠れるようになったこと。何はともあれ、心が軽くなったり、眠たくなるのも、反応の一つです。
治癒の法則
ホメオパシーのコンサルテーションを受けている場合は、治癒の法則=ヘリングの法則を知っていると、焦らずに済むかもしれません。
治癒の法則とは『病気』が出口に向かう一定の方向性のことで、自己治癒力を使って、自ら自分自身を癒し始めているサイン。
- 内から外へ
- 上から下へ
- 心から体へ
- 重要な器官からより重要ではない器官へ
- 現在の症状から過去に抑圧した症状へ
コンサルテーションを受けてレメディをとった時、
例えば、喘息が良くなってきたら、蕁麻疹が出てきた、というような場合、内側から外の皮膚へ。顔の湿疹が、腕や足に移った時などは、頭から末端の手足へ=上から下への法則。
さらに、鬱の人が風邪をひいた時などは、心から体への法則。(最初は「そんなことない!」って拒否されることもあるのですが(汗)心が病気の時、体が病気になれないこともあるんです。)
生理不順が良くなったら口内炎が出てきたという時も、重要な器官(生殖器)からより重要でない器官(口)へ。
喘息が良くなったら、過去に薬で抑えたことがある蕁麻疹が戻ってきたというのも、現在の症状から過去の抑圧した症状へという治癒の法則に従って、自己治癒力で自分自身を癒し始めているサインだと考えられます。
反応が出る(=反応できている)=自己治癒力が働いている
ホメオパシーのレメディは、症状を抑制するものではないので、摂ったらすぐに症状が消える魔法の薬ではありません。
症状を癒すために自己治癒力を触発するので、症状が一時的に悪化したように感じることもあるかもしれないし、他の症状が現れるかもしれないし、なんの反応もないかもしれない。もちろん、スッと症状が楽になることもあるかもしれない。
大切なのは、どんな反応でも、また反応しないのも、立派な個性的な症状だということ。
また、気が巡りはじめるからか、積極的になったり、顔色や顔つき、雰囲気が変わって、周りから「変わったね!(良い意味で)」と言われた!と報告を受けることも多いです。
しろくまくん
夫々に「今」必要な反応しか起きない、とよく思います。
レメディの摂り方
レメディの摂り方は、セルフケアの時と、ホメオパスのコンサルテーション(セッション)を受けている時とで異なります。
コンサルを受けている場合は、ホメオパスの指示に従います。ホメオパスは、レメディやポーテンシーを選択するだけでなく、摂るタイミングや量も考えてトリートメント計画をたてているのが一般的です。
しろくまくん
コンサルテーションを受けると、パーソナルトレーニングを受けるような感じの醍醐味を味わえますね。
ここでは、セルフケアとして、自分でレメディをキットから選んで摂る場合の一般的な摂り方の流れをご紹介します。
Step5以降は、3パターンに分かれます。
症状が和らいできたら
- レメディをとるのをやめる
- 辛い症状であれば、数回、15分位おきにリピートしてもOK
症状が変化したら
- 熱→咳など症状が変化したら、Step1で選んだレメディをもう1度。変化がなくなったら次へ。
- 症状が変わらなくなったら、またStep1に戻って新たにレメディを選びます。
変化なし・改善なし
- レメディの変更を検討
- ホメオパスに相談
レメディの粒の大きさによって、1粒の場合、3粒位の場合があります。
一般的にグラニュールと呼ばれる大きさ(極小粒)は、1粒取り出すのも難しいので、1回3粒くらいでも大丈夫です。極小粒のレメディは、フランス、イタリア、ドイツのレメディで多く使われています。
しろくまくん
誤って一度にひと瓶食べちゃっても大丈夫です。やってはいけないのは、セルフケアで、1週間以上毎日同じレメディをとり続けること。
しろくまくん
プルービングといって、そのレメディが持つ特徴となる症状を疑似体験することがあるから。レメディはサプリメントとは違いますよ。
例えば、熱を下げたいとき、類似の法則から同じような熱を出すレメディを選択してとることで、自己治癒力を刺激して自力で熱を下げるのがホメオパシー。
自己治癒力を刺激するために「(実際よりも)すごく熱ありますよ」っていう情報を体に与えるのがレメディの役目。
熱がないのにそのレメディを一定期間取り続けていると、体が勘違いして熱を出すことがあります。それをプルービングと言います。これは、体の症状でも心の症状でも一緒。
プルービングの場合、疑似体験をしているようなものなので、レメディを摂るのをやめれば、症状はしばらくすると落ち着くはずです。
実は、プルービングだと気付かずにレメディを取り続けている人をよく見かけます。全員が全員体験するものではないけれど、繊細な人は特に注意が必要ですよ。
レメディの保管方法・扱い方
いくつかの注意点さえ気をつけて保管すれば、レメディは長く使えるものです。
今は、食品衛生法などの関係で賞味期限を記さなければならない為、イギリスのレメディキットであれば大体3〜5年くらいを目安に期限が表示されていると思います。(それでも十分長く使えることに変わりはありませんが。)
2014年にドイツの薬事博物館を訪れた際、1800年代に使われていたレメディキットやレメディが、綺麗な状態で保管・展示されていたのには、本当に驚いて、感動しました!
レメディキットのケースも素敵で♡約200年前のレメディでも、保存状態が良かったからか?ちゃんと響いたという話があるのにも驚きです。(胃腸の弱い私には勇気がいるけど…試せるのなら、試してみたいかも笑)
レメディキットの保管方法・扱い方
- レメディの粒には、直接手で触れないように気をつける。
- テレビや冷蔵庫、携帯電話、PCなどの電磁波の強いところの近くには保管しないようにする。
- 匂いの強いもの(アロマなど)の近くに置かない。
- 高温多湿・直射日光を避ける。
まとめ
これだけは押さえておきたいレメディについてのポイントをまとめます。
- 自己治癒力に刺激を与えその働きを促すもの
- 植物・鉱物・動物・不可量物などが原料になっていて、4,000種類ほどある
- 原物質の毒性がなくなるまでアルコールと水で薄めては叩くという作業(希釈振盪)を何度も繰り返して作られる
- 天文学的に物質を薄めて作られたレメディは、妊婦さんからお年寄りまで安心して使えるもの
- 砂糖玉や粉状、クリーム状、液体状、点眼、座薬など様々な形状のものがある
レメディの世界はと〜っても深いです。使ってみないと分からないことがたくさんあるのも事実。知っていれば、セルフケアをするときの選択肢のひとつになりますね。
ホメオパシーについてはこちらの記事で紹介しています☆