ホメオパシー療法家(ホメオパシーの専門家)のことをホメオパスと呼びます。
ホメオパシーのコンサルテーションを受けたいと思ったら、まずホメオパスを探すことになりますが、口コミや紹介でホメオパスにかかってみたものの相性が合わず、「相性が合わない=ホメオパシーが合わない」と感じてしまう方も多いです。
また、ホメオパスによってコンサルテーションのやり方や選択するレメディも異なるため、何を基準にホメオパスを選んだら良いか分からないと感じる方もいるようです。
そこで、今日はホメオパスの仕事・ホメオパスの選び方をご紹介します。
しろくまくん
カリー
ホメオパスって何するの?
ホメオパス(ホメオパシー専門家・療法家)は、コンサルテーション(セッション)でクライアントさんの話を聞き、それに基づいてレメディを選択してクライアント自身のヒーリングプロセスをサポートするのが仕事です。
ホメオパスによって仕事の仕方は様々ですが、ここでは私の主な仕事の流れをご紹介しますね。
クライアントさん側から見ると、ホメオパスは良き聴き手、話し相手。感じていることや思っていることを話すだけで大丈夫です。
その際、対面でもZoom(PCやスマホを使って顔を見ながら話す)でも可能。Zoomは、遠方の方や、育児中や不調のため家から出られない方にはとても便利。
レパトリーは事細かに書かれた症状集のこと。コンサルテーションで収集した心や体、その他様々な情報からキーになるものをピックアップして症状集から探し出していきます。
そのためには、例えば頭痛一つとっても、付随する症状はあるのか、頭のどこが痛むのか、いつから痛むのか?その時何かあったのか?、どうすると(いつ)楽になるのか?悪化するのか?、どの様に痛むのか?といった情報が最低限必要に。
それらの情報をレパトリーから探しだすと、その症状に対応するレメディが数十種類列挙されています。
このように、レメディが数多く列挙されているので、さらに絞り込む為に、頭痛という症状だけでなく、その他の症状や感情、食事についてなど伺った様々な情報が必要になり、それらもまた、この本から探し出す必要があります。
レパトリー(症状集)に列挙されているレメディは、太文字が付いていたり下線が付いていたり字体が異なっていて、それらはグレードを表しています。
高いグレードのものは多くのプルービングや情報があり臨床でもよく使われていて、その有効性が確認されているもの。低くなるにつれて情報が少なく有効性の確認も少なくなっていきます。
1つの情報(ルーブリック)ごとに記載されているレメディとそのグレードを、1つ1つ手書きで書き出して計算しても良いのですが、ソフトウェアを使って計算すると早いです。
マテリアメディカは、多くの人が行なったプルービング(健康な人に与えたことによって起こる生理作用や精神的作用などの特徴を記録すること)をまとめた本です。ものすごく些細なことまで記述されています。
Step3で上がってきたレメディを参考に、マテリアメディカという本を参照して、よりクライアントさんに合うレメディを探していきます。
しろくまくん
カリー
クラシカル・プラクティカルの違い
クラシカル、プラクティカルというのは、レメディを選択してアドバイスする際のメソッド(方法)のこと。
日本に帰国して、「ホメオパスをしています」というと、日本のホメオパスの人たちからは必ずと言って良いほど「クラシカル?プラクティカル?」と聞かれます。
私は大学でホメオパシーを学んだので、クラシカルもプラクティカルも、またその他のメソッドも色々と学び実践する機会がありました(大学の授業の様子はまた改めて記事にしますね)。
今はクライアントさんの状況に合わせてメソッドを使い分けているので、どちらとも言えず、正直とても困ります。
クライアントさんにとって「なるべく速やかに穏やかに症状を出し切る」サポートをすることができるならば、どんなメソッドでも構わないと個人的には思っています。(そんなこと言ったら、どちらの流派の人にも怒られそうですが(笑))
しろくまくん
一応、ひと言で分かる、クラシカルな方法とプラクティカルな方法の見分け方を紹介しておきます。
クラシカルな方法
レメディは必要最低限で1種類のみ選ばれます。
1ヶ月で1粒だけのこともあるし、2,3粒のことも。
プラクティカルな方法
必要に応じて数種類のレメディが選ばれます。
レメディだけでなくティンクチャーなどを組み合わせることも。
どちらが良い悪いということはなく、どちらも素晴らしいメソッド。出来ることなら、クライアントさんの状況や状態に応じて臨機応変に使い分けていくべきだと私は思っています。
夫々の「型」を大切にしすぎるあまり、相手の「型」を批判し合うのも悲しいところ。
有名なホメオパスのやり方、学校で学んだやり方や処方方法に最初は忠実に従うことも大切ですが、そこに固執せず、時には疑問を持ち、様々なアプローチを学び実践することを通して自分なりの「型」を探っていくのが良いのではないでしょうか。
ホメオパスってどんな人が多い?
とにかく勉強熱心で真面目な人、いわゆる優等生タイプだった人が多い気がします(残念ながら私は違うかな…笑)。
海外では男性のホメオパスも多いのですが、日本では女性が圧倒的に多く、出産や子育てをきっかけに自然療法に興味を持ち、ホメオパシーを学び始めるケースが多い様です。
プロフェッショナルホメオパスを目指すとなれば、時間だけでなく、学費やその他諸々金銭的にもかなり負担がかかりますので、比較的金銭的にも余裕のある主婦層が一番多い気がします。
職業としてみたとき、ホメオパス一本で生計を立てられる人はごく僅かだから、というのも理由としてありそうですね。
その他、収入源を確保しながらパートタイムで学び、二本立てで生計を立てている方や、学んでも仕事にしていない方も多いです。
私は32歳の時に仕事を辞め単身渡英し、4年後の卒業とともに帰国しホメオパスとして活動。その3年後に結婚、子供はいませんので、どれにも当てはまりませんが…(笑)
イギリスの大学の同級生の男女比は 1:5くらい、講師の男女比は半々か男性の方が多かったように思います。
また、年齢は19歳から75歳と幅広く、社会人経験を経て再び学びに来ている人が大半でした。
医師や看護師など医療系の方だけでなく、科学者や弁護士、SE、デザイナーからモデル、空港職員まで、バックグラウンドも様々なクラスでしたよ。
卒業後は、ホメオパスとして独立、起業、またはエインズワース、ネルソンズ、ヘリオスなどの大手ホメオパシー薬局に就職したり、研究を続けたりしながら活躍しています。
ホメオパスの選び方
ホメオパスにも、人柄、やり方まで個性があることはお分かりいただけましたでしょうか?
さて、どの様に選んだら良いか…
私のところに来るクライアントさんは、殆どがご紹介です。その他、ブログやホームページをご覧になって来られる方もいらっしゃいます。
周りにホメオパシーをやっている知り合いもいないし、ホームページを見てもよく分からないという方は、ブログなどを通じて探すか、各ホメオパシー団体から紹介を受けても良いかもしれません。
日本のホメオパシー団体は、その団体の抱える学校の卒業生のためにあるようなもので、その学校の卒業生でないと入ることができないところが殆どです。
ここは、海外との大きな違いですね。(しかし、日本の場合、所属団体を見れば、大体の卒業校が分かり、どの様な手法のホメオパシーを提供するかが分かりやすいという利点もあります)
JPHMA(日本ホメオパシー医学協会) | ホメオパシージャパン、CHhomの卒業生 |
日本クラシカルホメオパシー協会 | ファカルティーオブホメオパシージャパン・東京スクールオブホメオパシー・クラシカルホメオパシー京都・ハーネマンオブホメオパシーの卒業生 |
日本ホメオパシー医学会 | 医療従事者のみ |
ホメオパシー振興会 | ハーネマンアカデミーの卒業生 |
日本獣医ホメオパシー学会 | 獣医師 |
一方、イギリスの場合は、各ホメオパシー団体の基準を満たす学校を卒業した上で、団体によっては、卒業証明書だけで入会できるところから、ケースの提出、論文やビジネスプランの提出に加えて面接試験を経て入会できるところがあります。
私の卒業した学校は、どの団体の基準もクリアしていたため、卒業間近になると各団体のリクルーターが来ていました。さらに、Society of homeopathsという(一番権威がある?)団体の面接試験は全員受けさせられました。
どの団体にも入れる資格を得て(医療従事者のみ、獣医のみなどの条件には、該当しない人もいる)、どの団体を選ぶかは、人それぞれの価値観次第。
団体に所属するには年会費がかかるので、なるべく安いところを選ぶ人、団体が発行する会報誌の内容の良し悪しで選ぶ人、一番権威のあるところを選ぶ人、入らない選択をする人もいたりと色々でした。2つの団体を掛け持ちしている人もいましたね。
ちなみに私は会報誌の内容が面白いところにしました(笑)
イギリスの主なホメオパシー団体
- Society of Homeopaths
- ARH(Alliance of Registered Homeopath)
- Homeopathic Medical Association
- British Homeopathic Association
- Faculty of Homeopathy・・・医療従事者
- BAHVS・・・獣医
- British Homeopathic Dental Association・・・歯科医師
まとめ
ホメオパシー療法は、癒しの芸術とも言えるもの。
アーティストに個性があるように、ホメオパスの行うホメオパシー療法にも個性があるので、その個性との相性があるのは当たり前。
よく、婚活で「とりあえず3回は会ってみましょう」という様に、ホメオパスのコンサルテーション(セッション)も3回は試してみたいところです。
3回目までには、何らかの変化が見られていることが多いですし、その結果も踏まえて、やっぱりこのホメオパス(ホメオパシー)は合わないな、と思ったら、別のホメオパスのところへ行ってみることをオススメします。
この時、一番大切なのは、ホメオパシー療法が合わなかったのではなく、ホメオパスとの相性が合わなかったのかもしれないということです。
ですから、1人目で合わなかった場合、最低もう一人会ってみましょう。日本の場合、できれば1人目のホメオパスとは違う学校で学んだホメオパスを選ぶと良いですね。
実際、私のところに来る方は、ホメオパシーが全く初めてという方の方が少ないです^^